どこから来たの?

ゆもこ

2009年07月11日 00:57

と、物静かな横顔に聞いてみた。
ある日の夕方。

出かけた近所の河川敷。

オレンジの夕日を浴び、悠然と佇む珍しい姿があった。

私にとっては昔懐かしい顔。

向こうにとっては初対面。

別に人見知りしているわけでもないだろうけれど、

彼、もしくは彼女は何も言わずジッと川辺を見つめていた。

問いかける私に目もくれない。

だから私は勝手に横に腰かけ、横顔を眺める事にした。

最後に触れたのは、見たのは何年前だろう?

懐かしさを覚える小さな小さな姿。

昔の記憶にあるその姿は今よりずっと大きかったのに。

私の前に現れたソレは小さく見える。

もちろん私が大きくなったから。

懐かしくもあり、寂しくもあり、嬉しくもある、なんとも不思議な出会い。


「どこから来たの?」

私はもう一度問うてみた。

けれど彼、彼女はやっぱり何も言わない。

水面に映る沈み逝く太陽の姿を眺めながら。

一日の終わりをただただ、見守っているようだった。






たまにはこんな物語風に。

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